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機動戦士Vガンダム
富野由悠季 / サンライズ 手ばなせない度 : ★★☆☆☆ この作品て本放映時に見ていた。けど、なぜか途中で視聴ストップ。理由は覚えてない。たぶん意味がわかんなくて話についていけなかったから? ともかく、あの後どーなったんだ? と気にはなってた。いつか通して見たいと思いつつも、かなりトンデモな展開らしいし、全51話の長丁場だし、監督みずから見る価値なしと否定してるしで、躊躇してた。 が、ついに見た! 見てしまった。やっぱり監督のおっしゃる通りだった。正直ネットで月額3748円を払ってまで見る価値は無かった。長年のつかえが取れたので後悔はしてないけどね。 かつて見たときも意味不明だと思ったけど、今回見直してもやはり意味不明な物語展開。主人公たちの行動も、敵であるザンスカール帝国の行動も、行き当たりばったりで趣旨が分からず、こいつらみんなバカ? とか思っちゃった(特にヒロインであるシャクティのバカっぷりったら……わざわざ自分から何度も捕まりに行っちゃうし)。 主人公たちが戦って守るべき社会がひどく虚ろというか、からっぽに感じられるのも特徴的。民間人とか報道機関とかも、まったく描かれていないわけではないけれど、ほとんど存在感がない。 登場人物もことごとくエキセントリックにすぎて、理解も共感もできず感情移入など到底ムリだしなぁ。それでも、なんだかんだ言いつつ最後まで見られる富野マジックはある意味すごいけど。あらゆる意味でこちらの想像を超える予想外のお話と、特徴的な富野節なセリフ回しが妙にクセになるからか? キャラクターデザインはかなり好み。肌の黒い人々も普通に描かれているのもいいところ。あと前期も後期もオープニングは名作と言っていいと思う。やっぱり富野監督って曲と映像のシンクロのさせかたが抜群。何度見てもワクワクさせるOPで、これだけで今作の印象ってだいぶ良くするのに貢献しているかと。 それから本編の千住明氏の音楽もすごく格調高くて良い。これも忘れてはならないポイント(←作品途中までしか見てないのにずっと昔にCD購入済み)。 モビルスーツのデザインも面白い。ザンスカールのMSってなかなかに味がある。虫っぽくって、前に見たときはそんなに好きじゃなかったんだけどなぁ。でも作中での性能はどれも似たり寄ったりな感じで、新型が出てきてもそんなにパワーアップしてる様子が無いようなのが残念。 V1は非常にシンプルでコンパクトにまとまっていて好き。合体変形の機能の便利な使い方も楽しいし。ちゃんとしたトイがあったら欲しいんだけど存在しないんだよね。作品の人気のなさを証明しちゃってるなぁ(ちなみにV2は嫌い。一言でいって美しくないから)。 それにしてもMSなんて核融合炉つきの兵器で白兵戦やっちゃうバカバカしさを、ほとんどごまかさずに描いているのが、なんともツッコミようがないっつーか。宇宙でならともかく、地球上ではとても戦争なんてできっこねーよなぁ、と改めて思った。他のシリーズだと、飛び道具メインでバカスカ爆発させてたような印象があるんだけど、どーだっけ? 完全に破綻している失敗作なのは間違いないけど、ここを読んでから見ると、ちょっと評価が変わってくる。いろんな意味でファーストと対になる作品だったのね。富野ファンならば話のネタに一見の価値はあるかも。ニュータイプであるはずの主人公ウッソの戦闘にもさほどの爽快感はないし、オススメはしないけど。 by のぞみまつき |
by sironekonomiya
| 2006-12-30 21:21
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